人間科学部

専門分野を突き詰めていく、刺激的な学問体験。
2010年に創設された人間科学部は、心の研究を中心とする心理学科と、集団生活やその環境を研究する社会学科によって構成されています。新しい学部ではありますが、前身は1966年に創設された文学部人文学科で、心理学科は心理学コース、社会学科は社会文化コースとして始まり、50年を超える歴史を有しています。両学科ともに実験や実習を重視し、専用コンピュータルームや実験室、実習室などの教育研究施設は国内でも屈指の充実度です。
この環境のもと科学的、実証的に人間の理解をめざし、心と社会に生まれる様々な現象のメカニズムを解明し、主体的に社会を支え活動できる、高度な専門性を備えた人材を養成していきます。

学科

心理学科
基礎心理学と臨床心理学、
偏りなく幅広い領域をバランスよく学べる。
社会学科
社会に抱いた疑問は、
自らフィールドへ出て解決策を探求する。
人間科学部のゼミナール
討論?文献輪読?プレゼンテーションなど学生が主体的に参加する授業で、心理学科は3年次、社会学科は2年次より履修可能です。
人間科学部の卒業後の進路就職支援
心理学科は大学院進学者が多く、社会学科は多様な進路が広がっています。
国家資格「公認心理師」への対応について
心理の専門家として活躍できる新たな国家資格「公認心理師」が誕生します。
本学人間科学部心理学科および大学院文学研究科心理学専攻では、今後発表される内容に注視しながら、国家資格「公認心理師」への対応を図っていきます。

実証性重んじる少人数教育

下斗米淳人間科学部長
 徹底的な少人数教育を通して実証性を重んじる。これが人間科学部の最大の特色です。心理学科も社会学科も、学生の問題意識を醸成させることから始めます。そして自らリサーチ?クエスチョンを立て、それに適う方法論でアプローチしていきます。そうした教育はまた、本学の掲げる「社会知性の開発」とも結びついています。
 心も社会も、手に取って確かめられるようなものではありませんので、学びのなかで、それらを可視化しなくてはなりません。そのためには、まずは学生本人がじっくりと多角的に考えていけるように、1年次からカリキュラムが作られています。そのもとで自ら自身の問題意識に対する答えを求めようとすることが大事だと、私は考えています。
 人間科学部の究極の目的は、人間の存在とはいかなるものかを見いだしていくことです。それは極めて人文社会学的な伝統の上に成り立っていますが、一方で、厳密な実証性を貫くために、自然科学的な気風も持っています。これから学部長として私にできる役割があるとするならば、1966年創設の前身(文学部人文学科)から変わることのない少人数教育のなかで、人文社会科学と自然科学の双方を併せもち、主体的に人間存在を考えていけるよう、学生を支えていくことだと思っています。
 人はある事象に対して研究しなくてもなぜそのようなことが起こったかを思考することはできます。しかし両学科とも、充実した実験実習設備を駆使しながら、研究を通してより深く思考できるようになっていくことでしょう。4年間、この研究を通して、また実証性を身につけることで、さまざまな課題について、偏った見方に陥ることなく立ち止まって眺め直す姿勢を身につけることができるようになることを願っています。


                                        人間科学部長 下斗米 淳
                                             2022年9月掲載
【略歴】
学習院大学大学院人文科学研究科心理学博士課程単位取得退学。博士(文学)。1995年本学文学部講師、2004年同教授。専門は社会心理学。「学習、認知、臨床、発達等、問題意識に関連する他領域にも広く関心を向けています」。趣味は家庭菜園。東京都出身。



人間科学部 DATA

(2022.5月現在)

取得できる学位

学士(心理学?社会学)

人数

教員数(専任者)
入学定員数
学生数
32名
心理学科77名 社会学科147名
心理学科332名 社会学科604名

学生男女比

心理学科
男:42% 女:58%
社会学科
男:48% 女:52%

取得可能な資格

心理学科

?中学校教員免許(社会)?高校教員免許(公民)?司書?司書教諭?学校司書?学芸員?認定心理士?産業カウンセラー(受験資格)?睡眠改善指導者(受験資格)


社会学科

?中学校教員免許(社会)?高校教員免許(地理歴史、公民)?司書?司書教諭?学校司書?学芸員?社会調査士

教育研究上の目的と3つのポリシー

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教育研究上の目的

人間科学部の目的


人間科学部は、実験、観察及び調査を軸として、科学的及び実証的に人間の理解を目指し、人間の心と社会に生起する様々な現象のメカニズム(因果関係)を解明する領域を総合的に学び、主体的に社会を支え活動できる人材及び高度な専門性を備えた人材を養成することを目的とする。

心理学科

心理学科は、心理学の様々な領域で蓄積されてきた知識と理論(「知」)及び研究方法(「スキル」)を実習を通して修得させることにより、現代心理学の持つ批判的、分析的かつ主体的な人間行動理解に到達させることを目標とし、もって心理学実務家、心理学研究者その他の修得した心理学を社会に還元できる人材を養成することを目的とする。

社会学科

社会学科は、人々の生活の場を主要な研究及び学問の領域とし、そこに現われてくる人間の行為や意識、社会関係や組織などの実態と現代社会の構造及び問題性を明らかにすることを目標とし、社会状況を適確に判断し、着実に活動できる人材を育成すると同時に、学問の発展に寄与する人材を養成することを目的とする。
ディプロマ?ポリシー(卒業認定?学位授与の方針)
本学部の心理学科、社会学科がそれぞれに規定する所定の卒業要件単位を学則で定める在籍期間中に修得することによって、幅広い教養と豊かな人間性を有し、専門分野に関しては、実験?観察?調査を軸として、科学的?実証的に人間の理解を目指し、人間の心と社会に生起するさまざまな現象のメカニズム(因果関係)を解明する領域を総合的に学び、主体的に社会を支え活動できる能力を養い、高度な専門性を身に付けた者に対し、心理学科では学士(心理学)の、社会学科では学士(社会学)の学位を授与します。

心理学科

(1)文化?歴史?社会、自然などについて幅広い教養を身に付け、多様な価値観を受け入れた上で、社会生活上の諸課題に取り組むことができる。(知識?理解、態度?志向性)
(2)心理学のさまざまな領域で蓄積されてきた知識と理論を説明することができる。(知識?理解)
(3)人間行動の理解のために、研究機器の利用方法をはじめとしてさまざまな実証的研究の手法を活用することができる。(汎用的技能)
(4)現代心理学の持つ批判的、分析的かつ主体的な人間行動理解に基づき、知見や技能を活用することができる。(知識体系に基づく思考と知の創出)
(5)未解決の問題を発見し、それを適切な方法で解決することができる。(知識体系に基づく思考と知の創出)

社会学科

(1)幅広い一般知識として、社会学の専門教育を超えた、文化、歴史、社会、自然など幅広い領域の知識を理解し、説明することができる。(知識?理解) 
(2)社会学のさまざまな領域で蓄積されてきた知識と理論を体系的に理解し、社会的行為と諸制度との相互関係を社会学的に説明できる。(知識?理解) 
(3)実証的調査の方法を用いて量的?質的なデータを収集?分析し、グループで作業する能力とコミットメントを身につけ、自らの思考を文章や口頭によって分かりやすく他者に伝えることができる。(汎用的技能) 
(4)諸社会が有する文化や価値の多様性に関心を持ち、他者に寛容な態度で接するとともに、社会の成員としての自己を理解し、自分が得た知識や価値観を反省し相対化して行動することができる。(態度?志向性) 
(5)社会における実践的な課題を発見し、上記の能力を総合的に駆使して理論的に思考?分析し、社会を構想し提言することができる。(知識体系に基づく思考と知の創出)
カリキュラム?ポリシー(教育課程編成?実施の方針)
人間科学部では、教育研究上の目的及び養成する人材の目的を達成するために、教育課程を「転換?導入科目」、「教養科目」、「外国語科目」、「専門科目」の4つの科目群から構成することとし、教育課程全体の体系性?順次性を確保し、かつ教養教育と専門教育の有機的連携を図ります。

心理学科

(1)学位授与の方針を踏まえた教育課程編成の方針
?卒業認定?学位授与の方針で掲げる資質?能力の基盤となる授業科目として、科目区分「転換?導入科目」には、「専修大学入門科目」、「キャリア基礎科目」、「情報リテラシー科目」、「基礎自然科学」、「保健体育基礎科目」を配置しています。
?文化、歴史、社会、自然など幅広い領域の知識を理解し、説明することができる能力を養成するため、科目区分「教養科目」には、「人文科学基礎科目」、「社会科学基礎科目」、「自然科学系科目」、「融合領域科目」、「保健体育系科目」を配置しています。
?言語運用能力を身につけ、活用することができる能力を養成するため、科目区分「外国語科目」には、「英語」、「英語以外の外国語」、「海外語学研修」、科目区分「専門科目」には、「心理学講読1」を配置しています。
?科目区分「専門科目」には、以下の科目を配置しています。
①心理学に関する専門分野の基礎的な知識を理解して説明する能力と多様な価値観を受け入れ、主体的に学ぶ自己設計?管理力を養成するための科目を配置しています。
②心理学に関する専門分野の基礎的な知識を理解して説明する能力とそれらの知識の統合と活用する能力や論理的思考力を養成するための科目を配置しています。
③心理学に関する専門分野の基礎的な知識を理解して説明する能力とそれらの知識の統合と活用する能力や論理的思考力に加えて問題解決能力についても養成するための科目を配置しています。
④心理学の研究方法を理解するための情報?データリテラシー能力を養成するための科目を配置しています。
⑤倫理観と社会的責任と論理的思考力を持って、これまで学んだ心理学の知識の統合と活用に取り組み、実際の問題解決を行う能力を養成するための科目を配置しています。
(2)学位授与の方針を踏まえた教育課程実施の方針
?大学での学修の基盤となる能力を養成する「転換?導入科目」は、多様な入学者が自ら学修計画を立て、主体的な学びを実践する初年次教育として実施します。
?言語運用能力のうち、自分自身の思考や判断を明晰かつ適切に伝達するための基礎力養成は、「転換?導入科目」の「専修大学入門科目」において実施し、必履修科目として、1年次に全員が学びます。
?情報?データリテラシーの基礎力養成は、「転換?導入科目」の「情報リテラシー科目」において実施します。
?幅広い領域の知識?理解の修得は、「教養科目」において実施し、8単位以上修得することを卒業要件としています。
?言語運用能力のうち、母語以外の言語運用能力の養成は、「外国語科目」において実施し、英語から4単位以上(外国人留学生は日本語8単位以上)、英語以外の外国語から4単位以上修得することを卒業要件としています。
?科目区分「専門科目」は、以下のように実施され、必修科目32単位、選択必修科目32単位、選択科目20単位以上修得することを卒業要件としています。
①心理学専門科目に関連した言語運用能力の